物語がつまった宝箱
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私は1971年9月生まれです。
8歳から18歳の多感な時期を過ごしたのは、1980年代。
来年でちょうど仕事を始めて30年の節目を迎えるにあたり、この連載で今の自分を作ってくれた大好きなもの、ことを、超個人的な思い出とともにふりかえっていきたいと思っています。
懐かしんでもらったり、ぜんぜん知らなかったり、50歳のイラストレーターのつぶやきにおつきあいいただけたらさいわいです。

  • MY ROOM わたしの部屋 2022年4月1日更新
18歳までずっと、2つ上の兄か6つ上の姉との二人部屋で暮らしてきました。 学習机は姉のおさがりで、70年代のスチール製。 内蔵のデスクライトは壊れたままでした。 姉は中学入学を機におしゃれな木のデスクを新調してもらい、 私が高校入学で再びそれをもらい受け……3人きょうだいの末っ子は、 ずっとおさがり人生。 小学校低学年のころのノートを開くと、ゴージャスな夢の部屋の絵が並び、 「個室」というものに強いあこがれを抱いていたことがよくわかります。
小物を並べたり片付けをすることは幼いころから好きでしたが、 漫画家というそれまでの熱い夢を揺るがす存在となったのが、 ティーン向けのインテリア雑誌『私の個室』の登場。 憧れの洋室の個室を持つ子もいたけど、大体はみんな和室住まい。 『私の個室』にも、砂壁や畳をいかに隠し、 押し入れをかわいくアレンジするかということに情熱を注ぐ、 全国の少女たちの部屋の実例がたっぷり載っていました。 中1のころから夢中でむさぼり読み、 「インテリアコーディネーターもいいなぁ」なんて、 姉との部屋の、自分のデスク側のテリトリーを飾り立てたもの。 振り向けば、雑多なものが山と積まれた姉の机が視界に入るのですが。 13歳、精一杯の「私の個室」なのでした。  
『私の個室』(主婦と生活社) 1983年創刊、『美しい部屋』のティーン版、インテリアマガジン。 同時期に発売された『ティーンの部屋』(学習研究社)と人気を二分していましたが、私は読者の実例が多く、泥臭さのある「個室」派。ふすまにコラージュ、とにかく布で隠すなど、"和室を洋風に住むテクニック"や、"廃物利用で満足家具を手作りしよう"(例:電話線巻きのリビング3点セット)など、ちょっと強引な企画が魅力。 私のスクラップノートに、記事が残ってる。憧れつつ、この木製のコイル巻き、当時もそう簡単に手に入らないッス。1992年休刊。

(つづく) 次回は2022年5月1日更新予定です。

著者プロフィール

  • 杉浦さやか

    日本大学芸術学部在学中に、イラストレーターの仕事を始める。独特のタッチと視点のイラスト&エッセイが、読者の熱い支持を集めている。イラストのかわいらしさはもちろん、文章のうまさにも定評がある。著書に『ひっこしました』『ニュー東京ホリデイ』『世界をたべよう!旅ごはん』『たのしみノートのつくりかた』など、多数。