物語がつまった宝箱
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私は1971年9月生まれです。
8歳から18歳の多感な時期を過ごしたのは、1980年代。
来年でちょうど仕事を始めて30年の節目を迎えるにあたり、この連載で今の自分を作ってくれた大好きなもの、ことを、超個人的な思い出とともにふりかえっていきたいと思っています。
懐かしんでもらったり、ぜんぜん知らなかったり、50歳のイラストレーターのつぶやきにおつきあいいただけたらさいわいです。

  • DO!FAMILY ドゥファミリィ 2022年7月1日更新
ギンガムチェックに小花柄のワンピース、タータンチェックスカート。 1950~60年代のフランス映画に出てきそうな、さっぱりとかわいらしいテイスト。 80年代なかばに、少女の間ではやっていた"リセエンヌ(*)・ファッション"にぴったりな、ベーシックで清楚なお洋服たち。 40歳前後から50代の友人知人に聞くと、誰もがティーンのときに一度は胸をときめかせた、憧れのブランド「ドゥファミリィ」。 雑誌『mc Sister』や『Olive』の中の、ロマンチックなページにうっとりしたものです。 中、高とシスター少女だったので、毎月専属モデル(私の頃はユエちゃんとクミコちゃん)が着こなすページが楽しみでした。 シーズンごとに柄が変わるビニールのショッパー、凝ったノベルティグッズ、 かわいいイラストが入った洋服のタグに至るまで、すみずみまでかわいかった。
*リセエンヌ・ファッション 1983年秋に『Olive』が提唱したファッション。フランスの高校「リセ」に通う女子、"リセエンヌ"のベーシックで上品なファッションや、ライフスタイルを紹介。ほかのティーン雑誌も追随して、ロマンチック少女たちのおしゃれ心に火をつけました。
日本製にこだわり、決してセールをしないところにも特別感がありました。 それなりのお値段がしたので、中学生の私には手が出せず、 『mc Sister』の付録のブランドシールを手帳の表紙に貼るのがせいぜい。 高校生になってアルバイトをはじめてから、ポツポツと買えるようになって、 両親からの誕生日プレゼントも「ドゥファミリィ」をねだったもの。 古着に目覚める大学1~2年くらいまで、私の勝負服だった。 大学の登校初日にも、サックスブルーのアンサンブルニットを着て行った記憶があります。 家から一番近い繁華街・吉祥寺の駅ビル「吉祥寺ロンロン」(現「アトレ」)を出てすぐのところにあった、小さなお店が行きつけでした。 ギンガム、セーラーカラーと、今の好みにも多大なる影響を与えてくれたブランド。 白いカットワークのレース襟の少女っぽいブラウスなんかを見ると、 ドゥファミリィ魂が刺激されて手が出そうになるけど、ぐっと我慢。 50を過ぎても、心の片隅にはずっと清楚な少女がいるのでした。

1970年にユニセックスブランドとして誕生。 1971年に原宿に1号店をオープン。現在も本店は原宿。コンセプトは「着心地がいい服」「何年経ってもまた着たい、着られる服」。 商品すべてがMADE IN JAPANであることがこだわり。90年代半ばから一時期、本店隣に美術館もありました。写真は、ノベルティのバンダナ(DO!FAMILYの真鍋立彦さんデザイン)が出てきて、最近愛用中だという5つ年上の友達が見せてくれたもの。82~83年のものと思われる。 DO!FAMILY  http://www.do-family.co.jp

(つづく) 次回は2022年8月1日更新予定です。

著者プロフィール

  • 杉浦さやか

    日本大学芸術学部在学中に、イラストレーターの仕事を始める。独特のタッチと視点のイラスト&エッセイが、読者の熱い支持を集めている。イラストのかわいらしさはもちろん、文章のうまさにも定評がある。著書に『ひっこしました』『ニュー東京ホリデイ』『世界をたべよう!旅ごはん』『たのしみノートのつくりかた』など、多数。