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  • 第二幕(5) 2023年8月15日更新
 舞台上に雨と強風の音が響く。暗闇のなかで薄明かりが私を照らしている。汚れたショールを肩にかけ、ほつれたロングスカートをまとった私は、背を曲げて老女を演じる。伸びた白髪の隙間から、恨みがましい視線を客席に送る。光などない、くすみきった情景が目の前に広がっている。
 私の脳裏には、男たちから受けてきた数々の屈辱が蘇(よみがえ)っている。傷つけられた怒りを、憎しみを、視線に込める。観客が状況を認識できる時間を取ってから、おもむろに語りはじめる。
「……雨が降る。風が吹く。突風が髪をなびかせ、肌を濡(ぬ)らす」
 うめくような独白が舞台の空気を震わせる。名倉(なぐら)や渡部(わたべ)の視線は、もはや意識の外へと追い出されていた。私はたった一人で舞台に立っている。
「さまよっていた私は、ある雑貨屋の軒先に一人分の空間が残されていることに気がつく。急いで雨から逃れ、ようやく一息つくことができる」
 闇に覆われていた劇場が、ぱん、と明るくなる。ほんの一瞬、舞台の隅々まで鮮明に照らし出され、すぐに闇が戻ってくる。しゃがみこんだ私の耳に雷鳴が聞こえる。私は近くで落雷があったことを悟り、慎重に顔を上げる。
 軒先にいた先客との会話。紳士からの問いかけに何一つ答えることができない自分に絶望する。私は客席に救いを求める。
「雷が。雷が、私の人生を奪っていった」
 照明の下で絶叫する。
「誰にも制御できない力が、一人の人間を不幸の底へと突き落としていった」
 口のなかに鉄の味が広がっている。本当に口のなかが切れたのかもしれない。もはやこの叫びを発したのがトワなのか、遠野茉莉子(とおのまりこ)なのか、それとも素の私なのかもわからなかった。
 一際(ひときわ)大きな落雷の音が響き渡った。薄明かりが消えて、完全に暗転する。すぐさま下手(しもて)の袖へ転がりこんだ。最初の着替えがある。
 衣装スタッフが次の衣装を手に、駆け寄ってくる。私は白髪のウィッグを脱ぎ捨て、老いたトワから若いトワへ人格を切り替える。調理師の夢を追う無垢(むく)な少女へと。トレーナーとジーンズというラフな服装に着替え、ショートカットのウィッグを被(かぶ)ったあたりで、くすんでいた風景が輝きを取り戻した。
「無理しないでください」
 衣装スタッフの声を背に、袖から登場する。打って変わって、舞台には明るく穏やかな日が差していた。肩からバッグを提げた私は意気揚々と歩き出す。行く手に晴れがましい未来があると信じて。
 私は上京したばかりの五年前を思い出していた。あの時はどうすれば役者になれるのかも知らないまま、何者かを演じることだけ考えていた。
 夢を追っていたトワは、雷雨の夜、唐突に男から襲われる。トワが狙われたことに、若い女だから、という以上の意味はなかった。若い女でさえあれば相手は誰でもいい、という男が世の中には無数にいることを、私はデリヘルの仕事を通じて熟知していた。胸が大きいとか、顔が整っているとか、そんなことは些末(さまつ)なことなのだ。若い女であるというだけで、欲情する男は間違いなく一定数存在する。
 トワは舞台の上で格闘する。仰向けになり、苦しげに苦悶し、足をばたつかせる。私は、私の身体を買っていった男たちの姿を思い出す。私は見知らぬ無数の男たちに裸体を見られ、触られ、舐(な)めまわされた。忘れたくても、肉体はそれらすべてを記憶してしまっている。雷雨のなかで涙を流し、叫びながら、私はトワと一つになる。
 再び稲光が閃(ひらめ)き、舞台は暗転する。
 ふらふらになりながら、私は下手へ消える。衣装スタッフは心配そうに眉根を寄せた。
「顔色、悪いですよ」
「平気です。早く衣装を」
 今度はブラウスと地味なスカートに着替える。
 地方の生家へ戻ったトワは、見合いで男と結婚し、幸福とは言いがたい生活を送る。授かった娘と慎ましく暮らしていたトワだが、雷雨の夜、食事の準備ができていなかったことで夫を怒らせる。夫はトワを足蹴にし、罵倒する。
 私は行為が終わった後の男たちを思い出す。別人のように落ち着きを取り戻し、こんな仕事はよくないと説教をはじめたり、軽蔑するような視線を向けるデリヘルの客たち。彼らは風俗で働く女を、虐(しいた)げてもいい生き物だと思っている。それが差別であることにも、理不尽な仕打ちであることにも気付いていない。
 事情を解さない娘がトワに泣きつく。激高した夫は娘を蹴り飛ばし、家具に頭を打った娘は息絶えてしまう。
 私は絶叫する。これまでで最も切実で、後悔に満ちた叫びだった。
 私は客に絞め殺されかけた一瞬を思い出していた。死の一歩手前まで足を踏み出した瞬間。私は確かに、暗く深い淵(ふち)に立った。落ちてしまえば二度と戻れない穴を覗(のぞ)きこみ、震えと嘔吐(おうと)が止まらなかった。その穴へ落ちていく私を、もう一人の冷静な私が見つめている。死んでいく私。もう、取り返せない命。
 腹の底から悲痛な叫びが湧いて、止まらなかった。この舞台で倒れて二度と起き上がれなくなってもいい。
 再び、稲光と暗転。
 精魂尽き果てていた。二本の足で立つのも辛(つら)かった。四つんばいになって、舞台の下手へと去る。迎えに来た衣装スタッフは半泣きだった。
「休憩しましょう。私から名倉さんに言います」
「衣装を」
「茉莉子さん!」
 彼女は私の両肩をつかむ。その手をやんわりと剝がした。
「ここでやめたら意味がない。早く持ってきてください」
 声はがらがらに嗄(か)れている。それでいい。トワの声が、若々しく健康なものであるはずがない。スタッフは迷っていたが、次の衣装を持ってきてくれた。深緑色の上下。女性刑務所の受刑者服だ。
 これから私は、夫に実子殺しの罪をなすりつけられたトワを演じる。静かだが、永遠に消えない性質の絶望だ。歩き出そうとした私に、スタッフが問いかけた。
「どうしてそこまでするんですか」
 ほんの一瞬、素の私が戻ってくる。かすかに緩んだ口元から涎(よだれ)が垂れた。
「演技をしないと、生きていけないんです」
 格好をつけたのではなく、それは事実だった。私は誰かの人生を借りていないと、まともに生活を営むことすらできない。劇場の他に生きる場所がない。
 再び前を向き、舞台へと歩み出す。緊張も不安もない。私をトワたらしめてくれる地獄のような記憶に、胸のうちで密かに感謝した。

 舞台の最終盤。
 すべてを失ったトワは自殺寸前まで追いこまれる。ロープで輪を作って梁(はり)から吊(つ)るしたトワは、踏み台に上り、その輪の向こうから客席に語りかける。台本での台詞(せりふ)はこうだ。

  トワ  人は誰もが、生まれて死ぬことを定められています。私も、あなたも。しかしその短い生と死の狭間を、笑顔で過ごすことのできる人がどれくらいいるのでしょうか。そのように幸運な人間がこの世にいるのでしょうか。私には信じられません。生という苦界を泳ぎきった先にあるものが皆同じなのだとしたら、早々に命を絶ったほうがよほど合理的であるのに、皆、そうしないのは幸福だからでしょうか。
 その後トワは、窓の外から聞こえるかすかな幼児の声を聞き、自殺を思いとどまる。  私には、この独白がどうしても不自然に思えた。人は誰もが不幸だと言わんばかりの台詞には、かえって、自分だけがとびきり不幸なのだと信じこむ優越感が滲(にじ)んでいた。その匂いが、トワには似つかわしくなかった。  老女の格好をした私は、踏み台に上る。目の前にはロープの輪が吊るされている。客席が楕円形に切り取られている。 「人は誰もが、生まれて死ぬことを定められています。私も、あなたも」  かすれた声だが、舞台上では朗々と響いた。ここからだ。ぐっと腹に力をこめる。 「その短い生と死の狭間を、私は一人きりで駆け抜けてきたような心持ちでいました。しかし、真実はそうではなかった。私の傍らには常に他の女たちがいた。私と同じように、犯され、搾取され、処断された女たちがいたのです。これまで命を絶たなかったのは、男たちに遠慮していたからではありません。死ねば、彼女たちに顔向けができない。その一心で生きることに縋(すが)りついてきました。しかし、私はもう疲れ果てました。すべての女たちに詫(わ)びながら、あの世へ行くことを許してください」  自然と涙がこぼれた。  そうか。私はトワを演じたのではない。女という生き物を演じたのだ。  不自由な器に生まれ落ち、傷つけられ、それでも生きることを強要される性を演じてきたのだ。遠野茉莉子とか、トワとか、そんな小さな個人の話ではない。この社会で生きる女こそが、私の演じるべき役柄だった。  トワは静かに生き延びることを決意し、ほのかな希望が灯(とも)され、舞台は幕を引く。  九十分のゲネプロが終わった。  終演後、私は舞台の中央でうつぶせに寝そべったまま動けなくなった。すぐに衣装スタッフが駆け寄って、抱き起こしてくれた。ペットボトルの水を飲ませてくれたが、うまく口に運ぶことができず、端からこぼしてしまう。彼女は慌てていた。 「すぐ拭きます」 「自分で飲めますんで」  横座りになりペットボトルを受け取る。  体力もそうだが、精神的にきつかった。短時間のうちに幾度もトラウマを想起したせいか、まだ記憶の残像が網膜に貼りついている。消したくても、目の前から消すことができない。  板の上を歩く足音が近づいてくる。足音は私のすぐそばで止まった。 「茉莉子」  へたりこんでいる私を、名倉が見下ろしていた。 「最後まで走り切れるか?」  ゲネプロで消耗しきっている私が、数日にわたる公演に耐えられるのか。その疑問を抱くのは当たり前だ。けれど確信があった。どれだけ疲弊しようとも、舞台に立ち、幕が上がれば私はトワになれる。トワになってしまう。 「準備はしてきました」  名倉はうなずいた。 「わかった。あとは茉莉子に任せる」  ――勝った。  ついに名倉が折れた。私の芝居が、トワにふさわしいと認めた。  並んで歩く渡部に指示を出しながら、名倉は舞台を降りていく。その背中を見ながら、ふっ、と笑い声が漏れた。『落雷』は名倉の書いた戯曲だ。でも、この舞台は他の誰でもない、私のものだ。 「茉莉子さん?」  気遣わしげな衣装スタッフにお礼を言って、立ち上がった。どうにか歩けるだけの気力が戻ってきた。最初の公演まで、あと三時間ほど。目の前の客席は人で埋め尽くされる。何百人もの観客たちが、私の――トワの生涯を見届ける。  求められれば何度だって演じてみせる。それだけ、他者を演じるという快楽に身を浸していられるのだから。  やはり私は、役者をやるべくして生まれてきたのだ。  八月下旬。一週間ぶりに家から出た。自宅の食料がなくなったからだ。  出前を頼もうかと思ったが、洗剤やティッシュも切れていることを思い出した。仕方ないので部屋着でコンビニへ向かう。公演後はずっと自宅に引きこもっていたせいで、体力が落ちていた。日差しの下を歩くだけで疲れる。  蝉(せみ)しぐれが耳についた。異性を求めるオスの主張は、いまだに生理的な不快感を呼び覚ます。もっとも、上京したころよりは慣れた。蝉の声よりもずっと醜悪でずっと不快な、男たちの視線を浴び続けてきたせいかもしれない。  私は『落雷』の公演後、ほとんど家から出ていない。何日も続けてトワを演じたことで、心と身体(からだ)がすり減っていた。回復するためには、何もせずただ横になっているだけの時間が必要だった。デリヘルはとっくに退店した。舞台のために働いていたのだから、その舞台が終われば用はない。結果的にまとまった額のお金が手元に残ったので、数か月はアルバイトをしなくて済みそうだった。  弁当やスナック菓子、日用品を買いこんで、再び外に出る。ビニール袋が指に食いこむ。自宅への道のりを歩きながら、公演への評判をぼんやりと思い返す。  初日が終わった時点で、SNSには絶賛のコメントがいくつも投稿された。口コミサイトでの評判も上々で、バンケットの舞台は初見だという人も、小劇場好きの玄人(くろうと)筋も、概(おおむ)ね好意的に受け止めているようだった。  評判は客を呼ぶ。翌日の公演も、その翌日の公演も、チケットは売り切れた。一人で二度、三度と観る人もいたようで、終演後、座席にうずくまって嗚咽(おえつ)を漏らしている客もいたらしい。  千秋楽、高名な劇作家が客席にいたという噂(うわさ)も聞いた。大きな賞をいくつも受賞している男性で、大学の教員でもある有名人だ。彼が客席にいたという事実はそれ以上でもそれ以下でもないけれど、『落雷』に箔(はく)がつくという効果はあった。  舞台は興行的に成功を収めた。私は名倉に勝ったけれど、名倉はバンケットを大きくするという賭けに勝った。  同時に、遠野茉莉子の存在もより多くの人に知られるようになった。『落雷』を機に雑誌のインタビューを受け、それによってまた知名度が上がった。劇団からの勧誘や客演の依頼がいくつも舞いこみ、チケットノルマの有無で舞台を選ぶ必要はなくなった。  ただ、しばらくはバンケット以外の舞台に出るつもりはない。  私は他者を演じることを切望してきたが、他者なら誰でもいい、というわけではないことがようやくわかってきた。役者と劇作家には相性がある。どんなに世評が高い戯曲でも、身体がうまく演じてくれないことがある。遠野茉莉子にとって、最もなじみのいい劇作家は名倉敏史(としふみ)だった。  決して彼が上手(うま)いと言いたいんじゃない。合う合わないの話だ。  名倉の生み出す人物なら、私は名倉以上に理解できる自信がある。頭の先から爪先まで、自分自身を染め上げられる。名倉のほうも私を買っているのは、公演への出演回数から明らかだった。  当面、私はバンケットの舞台に立つことで生き延びる。  自宅アパートのエントランスにミニスカートの女性がいた。エレベーターの手前で、所在なさそうに歩き回っている。住人には見えない。植えこみの向こうを覗いていた彼女が振り向き、目が合った。  栗色(くりいろ)の髪をした女性は、デリヘル嬢のアユミだった。 「何してるの」  とっさに声が出た。アユミは悪びれる様子もなく「待ってました」と言う。 「誰に住所聞いたの」 「劇団バンケットの名倉さんから。連絡来てませんか?」  薄暗いエントランスでアユミは首をかしげる。 「いきなり家になんか来て何がしたいの。ストーカー?」 「私、役者になろうと思って」  アユミが発した言葉に不意を衝(つ)かれ、私はつい絶句した。彼女は滔々(とうとう)と語る。 「観ました、『落雷』。演劇観るの初めてだし、いいのか悪いのかとかよくわからないけど、感動しました。暗くていやな話なのに、なんか頭から離れなくて。自分でチケット買ってもう一回観ましたもん。前より余計にわからなくなって。でも忘れられなくて。役者さんってすごいんだな、って思いました」  郵便受けを背に、アユミの話に耳を傾ける。 「前に話したじゃないですか。全部演技だって。私、生まれてから今まで、ずっと演技してきたんです。いい子の演技。不良少女の演技。デリヘルで働く演技。全部、演技なんですよ。私、もしかしたら演技することに向いてるんじゃないかと思って。ね? 四六時中演技してるんだから、向いてると思いません?」 「だったら、勝手に役者になれば?」  私の家に乗りこんで、宣言する必要はない。アユミは以前買ってやったのと同じ煙草(たばこ)を取り出して、くわえようとした。「外で吸って」と注意する。 「だったらいいや。外、暑いし」  普通、アパートの共用部は禁煙に決まっている。彼女はあえて、常識のなさを見せつけているように思えた。 「どうすれば役者になれるかわからなかったんで、バンケットの名倉さんって人に相談したんです。そうしたら、ぼくには役者になる方法はわからない、けど遠野茉莉子なら知っている、って言われて。ここの住所教えてもらいました」  とんだ行動力だ。名倉も傍迷惑(はためいわく)な真似(まね)をしてくれた。  ただ、彼がアユミに住所を教えた理由は察せられた。たぶん、過去の私と同じものをアユミに感じたのだ。役者という肩書ではなく、演じることそのものへの憧れを嗅ぎ取った。かつて名倉は、初対面の私をワークショップに呼んだ理由をこう説明した。  ――あなたの目的は役者になることではなく、演技をすることそのものにある。  そしてアユミに演者としての自覚を植え付けたのは、たぶん私だ。あの日、待機室から連れ出さなければ、あるいは『落雷』のチケットを渡さなければ、彼女は今も無自覚なまま演技を続けていただろう。 「教えてください。どうすれば役者になれますか?」  アユミは距離を縮めてくる。煙草の匂いがほのかに漂う。  実のところ、彼女はすでに立派な役者だった。だって私の目の前で、身の程知らずの役者志望の女、という役を演じているのだから。自宅まで押しかけてきたのも、エントランスで煙草を吸おうとしたのも、彼女なりの演出だろう。ではなぜ、アユミはわざわざそんな役を演じているのか?  決まっている。私がそういう女を気に入る、と読んでいるからだ。  そのしたたかさに感服した。同時に五年前、面識のない名倉を相手に売りこみをかけたことを思い出した。  アユミから視線を逸(そ)らさず、微笑してみせた。 「わかった。教える。役者になっても幸せにはなれないと思うけど」 「いいんです。元々幸せじゃないんで」  私は鍵を使ってエレベーターのボタンを押した。アユミが後ろからついてきて、二人でエレベーターに乗った。 「遠野茉莉子、って芸名ですか?」  上昇する籠のなかでアユミが言った。 「まあね」 「いい名前ですね。私にも芸名つけてくれませんか?」 「……考えとく」  拒否しなかったのは面倒だっただけだ。断れば、しつこく迫ってきそうだから。  ビニール袋を提げた右手が軽く痺(しび)れていた。指には食いこんだ跡がついている。  首に残った痣も、指についた跡も、時間が経(た)てばいつか消える。じゃあ、心の傷はどうか。たくさんの男たちが植え付けてきたトラウマも、いずれ薄れ、跡形もなく消えていくのだろうか。  そうはさせない。私は今後も、この痛く苦しい体験を決して忘れない。そうでないと、絶望を再現できない。血を吐き、涙を流しながら、私は治ろうとする心をあえて傷つけ続ける。  それだけが、舞台の上で生き延びる唯一の方法だから。

(つづく) 次回は2023年9月1日更新です。

著者プロフィール

  • 岩井圭也

    1987年生まれ。大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年『永遠についての証明』で第九回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。他の作品に『夏の陰』『プリズン・ドクター』『水よ踊れ』『この夜が明ければ』『竜血の山』『生者のポエトリー』『最後の鑑定人』『付き添うひと』『完全なる白銀』がある。