物語がつまった宝箱
祥伝社ウェブマガジン

menu
  • ガゼボの晩(2) 2019年11月1日更新
 タイミングを間違えた。でもわりとかすってたな。舞う雪を背に言う鳴宮(なるみや)の顔は、泣きだしそうだった。くそ、あとちょっとだったのにな、って残念に思うけど、でも初めて鳴宮のいい顔を見たので、笑った。無防備な顔してんじゃねえぞ。
「その温泉って混浴あんの?」
「分かんね。でも、育(いく)がどうしてもって言うなら入ってあげてもいいよ」
「え、わたしがお願いして入ってもらう方なの?」
 当たり前じゃん、と鳴宮が表情をいつものやわらかいやつに変える。俺、おっぱいおっきな彼女いるのに、育のを見せてもらう必要ないでしょ。
「まじ? え、それやばくない?」
 驚いて、がばっと体を起こす。彼氏が他の女と一緒に暮らしてるってどうよ。それにこの二ヶ月、鳴宮はわたしとしか過ごしていない。てことは同じだけ彼女を放置していることになる。しかし鳴宮は「いいんだよ」と言う。
「育とは浮気とかそんなんじゃないから」
 どうしてだか胸の奥がちりっと焦(こ)げた。きっと、二ヶ月も一緒にいたから情が湧いたのだ。さっきも、一緒に死にたいとか思ってしまったし。
「でも、でもさ、彼女の方は嫌がるかもしれないよ。別れようって言うかもしれない」
「俺のことを信じてくれるはずだから、大丈夫だ」
 ちりちり。胸が痛い。くそ、タイプじゃないから油断してた。
「ねえ、旅館的なところに泊ろうよ。わたし、今日はもう東京まで帰る元気ない」 
 わたしは免許を持っていないので車の運転は鳴宮で、だから助手席で寝てればいいだけなんだけど、でもそう言った。鳴宮が「まあいいけど」って言うのが分かってたから。案の定鳴宮は「まあいいけど」って言って、「とりあえず車に戻ろう」ってわたしを促した。
飛び込みで泊れたのはボロい旅館で、もちろん男女別々の内湯しかなかった。でも源泉かけ流しで、ぬるぬるしたお湯が気持ちいい。しかも女湯にはわたし以外誰も居なくて、温泉独り占め。「うえええ」ってジジイみたいな声をあげても、オナラしても平気。湯船に肩までつかって好き放題しながら強張った体をとろとろに解(ほぐ)してから、隣の男湯にいるはずの鳴宮のことを考えた。わたしはどうも鳴宮のことを好きになりかけてる、いや好きになったっぽいんだけど鳴宮はどうなんだろう。いまもやっぱり、わたしはあいつにとっての雌ではないのか。じゃあさっきの顔はなんなの。どう考えても、わたしと一緒に死のうと考えてた男の顔じゃないか。でもその後におっぱいがおっきいっていう彼女の話を持ち出したわけで、一線引かれた感がある。うーん。あいつはまじでなにを考えてんだ。
のぼせるまで考えたけど、よく分からなかったので、わたしは体に訊いてみることにした。たらふく夕飯を食べた後――余談だけれどワカサギの天ぷらが出てうれしかった――疲れがどかんと襲って来たので寝ることにした。いつものように、布団は隣りあわせ。いつもと違うのは、わたしがぐうすこ寝ている鳴宮の上に跨(またが)ってキスをしたこと。無理やり舌をぐりぐり差し入れて、布団の中にきちんと収まっていた手を引っ張り出してちっこいおっぱいを触らせた。鳴宮の口の中はどこか冷たくて爽(さわ)やかな甘さで、昔におばあちゃんちで食べた鮎(あゆ)の匂いがした。鮎とキスしたらこんなかもしれない。ゆっくりと鳴宮が目を開けた。べろべろ動かしていた舌を抜き、唇を離す。一センチほどの距離で、「なにしてんの」って鳴宮の声がした。
「やろう、セックス」
 きっと、いまのこの変な関係だから鳴宮の気持ちが分からないのだ。角度を変えてみれば、例えば男女の関係になれば、何か見えてくるかもしれない。あと、普通にやりたい。好きだって分かった途端、性欲が爆発しそうなのだ。
 暗闇の中で、鳴宮がため息をついた。
「色気なさすぎだろ。もう全裸?」
「パンツは穿(は)いてるからセーフ」
「乳を放り出してる時点でアウト」
 部屋は暖房がきいて暖かいけれど、剥きだしの乳首がこりこりに主張していた。興奮しているからかもしれないけど。その乳首を鳴宮はぎゅりっと強く摘(つま)んで、性的でない乱暴な強さにわたしは「痛い」と悲鳴を上げた。
「やんないよ。どいて、育」
 もう片方の手が、痛みでもがくわたしと鳴宮の唇の間に入って来る。その手の平にぐっと力が入り、ぐぐぐと押しのけられる。細身だから非力だと思っていたけれど、存外強い。わたしはあっと言う間に、鳴宮の体の上から跳(は)ね除(の)けられてしまった。ぺしょんと自分の布団に転がる。乳首がじんじんしている。
「育とはそんなんじゃないって言っただろ」
「そんなんになりたいんだよ」
「彼女の話をしたから、動揺させたのか」
「そうだよ。あんたのことが好きって気付いちゃったんだよ」
 がばっと体を起こして、その勢いのまま鳴宮の体に馬乗りになった。浴衣を剥いて、あらわになった薄い胸板にがむしゃらにキスをする。でも鳴宮の体は全然反応してくれない。
「ねえ、いつもわたしにめちゃくちゃやさしいじゃん。なんでもしてくれるじゃん。なのになんで、セックスはだめなの。しようよ。してよ」
 必死に言えば言うほど、鳴宮の体が冷めていく。なんだよ、女がここまでみっともなく縋(すが)ってんだぞ。受け入れてくれてもいいじゃん。
「育の一番になりたくはないんだよなあ」
 されるがままになっていた鳴宮がぽつりと言って、わたしは顔を上げる。鳴宮は遠くに視線を投げていた。
「でも、一番の思い出にはなりたいんだよな」
 その声はとても真剣で、鳴宮がその場しのぎで言っているようには思えなかった。
「えっと、なに? よく分かんないんだけど」
「分かんないよな。俺も、うまく言えない。好きって言わせたのは俺の責任だし、まあうれしくもある。でも、一番の存在になりたくないんだよな。なっちゃだめっていうか」
 とりあえず降りろ、とやさしく鳴宮が言って、もうこれはどうにも状況を覆(くつがえ)せないと察したわたしはのろのろと脇に座り込んだ。鳴宮がわたしが脱ぎ散らかした衣服を拾い集め、ブラジャーをつけてくれる。
「育はさ、すっぴんよりもこのちいさなおっぱいの方がインパクト与えるよ。なんだよ、いつもぶるんぶるん言ってたのはこのパッドかよ」
「うるせえよ。脇肉掻(か)き集めろよ」
「どうやんの」
「こうだよ、こう」
 レクチャーすると、鳴宮がげらげら笑う。その笑い声は全然いやじゃなかったから、わたしも一緒に笑った。それからわたしはきちんと浴衣を着て、鳴宮の隣の布団に収まった。もぞもぞとなにか侵入してくる気配がして、それは隣の布団の鳴宮の手で、わたしの手をぎゅっと握ってきた。温かい。
 雪が降る音がする。儚(はかな)いものがやわらかく重なっていく音だ。目を閉じて、耳を澄ます。どれくらいしたころか、遠くでとすんと塊(かたまり)が落ちる音がした。
「ねえ鳴宮。どうしてわたしといるの?」
 雪の音を聞いていたくて、小声で訊く。
「育になにもしがらみがないからかな」
 鳴宮が静かに返す。
「しがらみ……なにそれ?」
「育はさ、いつでもどこか好きなところにふらりと行けるだろ」
 そうかな、と考えて、そうだなと納得する。やろうと思えば、わたしは明日からでもこの名前も知らない町で生きていける。仕事が見つかればの話だけど、いままでそんな感じで生きてこられたからきっと何とかなるだろう。
「でも、そんなのいつまでもできないんだけどね。楽そうに見えるのかもしれないけど、めちゃくちゃしんどい。一週間どうやって生きてくかとか、そんなことしか考えられない生活なんて、思うほど楽しくないんだよ」
 いやなことだって、情けないことだってたくさんやってきた。こんなのをずっと続けていくのが生きるってことなら、生きなくっていい。
「こんな生き方してたらきっとあと数年で寿命が来るよ」
 だからいつ死んでもいい。いまだって、死を前向きに考えていることに変わりはない。そうなんだろうねえ、と鳴宮が言う。
「だから育が『死ぬねー』って言ったとき、あ、本当に死んじゃうなって思った。しがらみがない育はさ、心残りもないからさくっと死んじゃえる」
「鳴宮はなんでそんなこと分かるの」
 あのチャット内では、誰もが冗談だという反応をしていた。あとから見返しても『後輩ちゃんって前のバイト先で店長と不倫してたらしいよ』なんて内容ばかりで、わたしの生死のことなんて誰ひとり心配していなかった。バイトに行かなくなったあとも、『ハタチ越した人間が無責任なことすんなよ』って説教を喰(く)らっただけだった。
 鳴宮の人差し指がわたしの手の甲を撫(な)でる。少しこそばゆい。
「半年くらい前にさ、酔っ払いの喧嘩(けんか)があったじゃん。ヤクザみたいなオッサンがドラマみたいにビール瓶(びん)割って振り回してさ、すげえ緊迫感で」
 全く記憶にない。そんなことあった? と訊くと鳴宮が「俺だったら武勇伝にするのに」と笑う。
「育がさっさとそいつに近づいて、おしぼり渡したじゃん。こめかみ切れてますよ、って」
 なんとなく思い出した。オッサンはどうも先に手を出されていたようで、怪我(けが)をしていたのだ。血が出てたから、わたしはおしぼりを持って行った。
「なんで育は、あんなことできたの?」
「バイトの上がり時間過ぎてて、これ以上拘束されるのは嫌だったから、だったかな」
 よく覚えていないけど、そんな理由だったはずだ。ああいう手合いは、予想外のことをされると毒気を抜かれるとなんとなく知っていた。案の定、わたしがおしぼりを差し出すと、オッサンは拍子抜けしたような顔をしておしぼりを受け取って「すまんね、姉ちゃん」と申し訳なさそうに言いながら、瓶をわたしにくれた。オッサンはやっと奥から出て来た店長に丁重に謝って、周りのお客さんたちにも謝って、そのとき店内にいた全部の客の支払いをあっさり済ませて帰ったから、もしかしたら本物のヤクザだったのかもしれない。
「あの瓶で刺されたかもしれないじゃん。わりと鋭利だったよ」
「まあわたしはいまも生きてるし、いいんじゃん?」
 イフの話には興味がない。手にしなかった未来は明け方の夢より存在感がないって誰かも言っていた。わたしの手を握ったまま、鳴宮が笑う。
「あのとき俺、全然身動きできなくてさ、だから育の行動にびっくりした。この子、命にも縛られてないんだなって」
「はあ」
「そっから育のことわりと見てて。そしたら、育は何かあったらすぐに『死ぬ』って言うことに気付いた。ムカつく客にブスって言われても、店長に鬼の十連勤シフト入れられても、文句言わずにただ『死ぬ』って言う」
 よく見てるなと驚く。わたしは昔から、うまく怒ることができない。外に出せない感情は全部自分自身にぶつけるしかできないのだ。
「死ねって言えばいいのになあって、思ってた」
「ふうん。そっか」
 そう言われても、今更自分を変えるなんて無理だろう。分かってもらえてるらしいことはなんだかうれしいけど、だからってどんな反応をしていいのか分からない。
「死ねっていう言葉ひとつ投げつけないほど、育は誰とも関わってないんだよな」
「そんなことないよ。わりと彼氏は途切れてないほうだし」
「こないだ二股されてた彼氏のことなんてすっかり忘れてるくせに?」
 そんなのもいたねー、とか思っちゃって、黙る。関わってないのかな、わたし。まあ、男に依存するほうではないけど。
「ねえ、育。子どものころの話してよ」
「はあ?」
 意味が分かんない。しかし鳴宮は「子どものころの話。何でもいいから」と言う。そんなこと急に言われても出てこないし、聞かせて楽しい思い出もない。
「ええとええと、……あ。鮎」
「鮎?」
「さっき鳴宮の口の中をべろべろしてるとき、なんとなく鮎の匂いがしたんだよね。子どものころ、母方のおばあちゃん家(ち)に預けられてる時期があって、その時におばあちゃんの恋人のオッサンがよく鮎を持って来てくれてたの。釣りたてを木の棒に刺して、塩焼きにしたやつ。おばあちゃんとオッサンはそれを肴(さかな)にお酒を飲み始めるんだけど、わたしには鮎を一匹持たせて外で食べてこいって言うんだ。ゆっくり食えよ、鮎には骨が多いからなって。外に出たらすぐに鍵を掛けられて、まあ中で何をしてるかはお察しでさ、だからわたしはいつもひとりで鮎を食べてそれが済むと川縁(かわべり)でぼうっとしてて――ってあんまり楽しい話になんないや」
 さっき鮎を思い出したせいなのか、うっかり口が滑(すべ)ってしまった。恥ずかしい。いまのなしなし、と言うと、鳴宮は「いいじゃん」とやわらかな声で言った。
「そういう話を聞きたいって、思ってた。育の話」
「なんで」
「なんでだろうな。でも育の口から、育の話を聞きたかった」
 鳴宮がひとりで笑う。何故だかまた鮎の匂いがした気がして、どうしてか、ほんのちょっとだけ泣きそうになった。ぐっと唇を噛(か)みしめていると、「そういや」と鳴宮が声のトーンを変えた。
「鮎の季節っていつ?」
「六月くらいから解禁だったかな。おばあちゃんの家の近くにキレイな川があってさ。だから、食べてたのは全部天然鮎だったんじゃないかなあ」
「俺、鮎食ったことないんだ。美味(おい)しいの?」
「うん。まあ」
 オッサンが来るのは嫌だったけど、焼き立ての鮎の塩焼きは甘くて身がふっくらして美味しかった。あんなやつのくれる鮎なんて、と思ったこともあったけど、捨てるなんてできなくていつも残さず食べた。家に入っていいと言われて中に入ると、鮎は大抵食べ残されて冷たくなっていた。そういえば祖母たちは一度も『一緒に食べよう』と言ってはくれなかった。
「そうだ、夏になったら食べに行こうよ。徳島の鮎、美味しいんだよ」
「……ありがとう。そっか。育は、徳島出身なんだ」
 鳴宮の呟くような声に、急に照れくさくなって口を噤(つぐ)んだ。どこ出身かなんて、東京に来てから誰にも言ったことなかったのに何を必死に喋(しゃべ)っていたのだろう。話題を変えようと、「鳴宮の彼女の話してよ」と慌てて言った。
「えー、やだよ。また寝込みを襲われる」
「襲わない。襲わないから」
「……そうだな。椿(つばき)って言うんだ。名前の通り、夏椿みたいな子だよ」
 やさしく語る声に胸が痛んで、でもその痛みに気付かないふりをして「ねえねえ、わたしはー?」と訊く。我慢だ、育。だって、わたしが話してって言ったんだし。
「椿とは幼馴染(おさななじみ)なんだ。俺よりも俺の実家に詳しくて、もしかしたら、俺のこともそうなのかなあ。大学卒業後は就職せずに二年間だけ自分の好きなことをして生活したいって言ったんだけど、親は大反対したのに椿だけは賛同してくれた」
 たった二年ぽっちを自分の好きなように生活もさせてもらえないなんて、鳴宮の家は鬼過保護なのか、名家的な何かなんだろう。わたしなんて高校を卒業するときに、どこにでも行ってしまえと言われたんだけど。しかも真顔で。
「じゃあ二十四くらいまでは自由ってことだよね。タイムリミットはあとどれくらい?」
「今年の春まで」
「まじか。すぐじゃん。それで鳴宮は、好きなことできたの?」
 雪が降る音がする。鳴宮は黙って、天井を見上げている。繋(つな)いだ手が、温かい。

*

くつくつと煮えるカレーをぼんやり眺めていると、チャイムが鳴った。弱火にして、玄関ドアのスコープを覗(のぞ)くと、嘉人(よしと)が立っていた。ドアを開けると、髭(ひげ)もじゃの顔でくしゃりと笑って「何か食わして」と言う。
「今日から出張じゃなかった? どっかに視察だとかって」
 友人たちと農場を共同経営している嘉人は、視察だ見学だと日本中を飛び回っている。これから一週間、北海道だかに行くという話だったはずだけれど。
「雪で飛行機飛ばなくてさ。いまも、すげえ降ってるよ」
「ふうん。まあいいや、ちょうどカレーできたとこ」
「えー。お前のカレー辛いんだよな」
 いかつい見た目をしているわりに、嘉人は甘党だ。お酒も全く飲めなくて、晩酌(ばんしゃく)が好きなわたしとしてはちょっと物足りない。でも、そのほかの部分――金銭感覚とか休日の過ごし方とか――はとても相性がいいので、まあまあ満足している。
「牛乳足して甘くしたげる。入んなよ」
 キッチンに戻り、小鍋にカレーを取り分ける。牛乳を入れて火にかける間に、嘉人はこたつに滑(すべ)り込んでいた。それから「あれ?」と声を上げる。
「誰か死んだの?」
 嘉人の視線の先には、ハンガーに吊るした喪服がある。
「ううん。先月、上司のお父さんのお葬式のときに着たまま、クリーニングに出してなかったのを思い出して」
 喪服なんて持っていなくて、訃報(ふほう)を受けて慌てて買いに行ったものだ。同僚たちは皆きちんとしたパールのアクセサリーやフォーマルバッグを当たり前のように持っていて、わたしも揃(そろ)えておかなくちゃと思った。三百円ショップで買った偽物パールは、ちょっと恥ずかしい。もういい歳だし。
 わたしの分と、嘉人の分の甘口カレーをこたつに並べて、食べる。わたしはビールで、嘉人は麦茶。辛い辛いと言いながらカレーを口に運ぶ嘉人を眺めながら、今日は帰ってって言えばよかったかなあと思う。でも、嘉人が来てほっとした部分もある。もし来なかったら、わたしはあの喪服を着て、斎場に駆け込んでいたかもしれない。
 カレーを食べたあとお風呂に交互に入り、ふたりでベッドに潜(もぐ)り込んで不安のないセックスをしてから、嘉人は眠った。
 暗がりの中、耳を澄ます。嘉人の規則的な寝息の向こうに、雪の降る音がする。何年も前の、鄙(ひな)びた旅館の布団の中で聴いたのと、同じ音だ。目を閉じれば、あのころに戻ったような気がする。

(つづく) 次回は2019年11月15日更新予定です。

著者プロフィール

  • 町田そのこ

    1980年生まれ。福岡県在住。2016年「カメルーンの青い魚」で第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。2017年同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』を刊行。他の著書に『ぎょらん』がある。