小学生のころ、母と時おり表参道を散歩しました。ハーブ製品「生活の木」、「オリエンタルバザー」、絵本「クレヨンハウス」などを覗き、同潤会アパートを見下ろす一等地にあった「シャノアール」で休むのがいつものコース。 中学の同級生とはじめてデートをしたとき、「表参道なら少しわかる」と背伸びして出かけたものの、はずかしくてお店に入れず、言葉少なにただ並木道を往復して、地元駅に帰ったっけ。高校生になってラフォーレのバーゲンに初参戦、大学生~20代のはじめは古着や雑貨屋さんめぐりに精を出しました。 思い出はたくさんあるけれど、表参道~青山は自分がいい歳になっても、いつまでも「大人の街」のイメージ。60年代半ばから流行の先端をいく街であることはもちろん、落ち着いたケヤキ並木のせいでしょうか。そしてあのころのままの、「憧れの街」の面影をつい探してしまうのです。新しい顔と昔ながらの懐かしい姿を楽しむ、原宿散歩です。西洋民芸の店 グランピエ 東京都渋谷区神宮前3-38-12パズル青山 http://granpie.com/ La Fee Delice (ラ フェ デリース) 東京都渋谷区神宮前5丁目11−13 https://lafeederice.business.site/この界隈に来る目的の多くは、友人や好きな作家さんの個展を見に訪れる、点在するギャラリー。洋書店や美術館も充実して、アートの街でもあるのよね。「ワタリウム美術館」、カフェも素敵な「岡本太郎美術館」、そして今回訪れた2つの美術館。 「根津美術館」は"鉄道王"と呼ばれた実業家・根津嘉一郎が蒐集した、日本と東洋の古美術コレクションが軸となっています。広大な美しい庭園が、もうひとつの見どころ。 太田記念美術館は、ラフォーレの裏に静かに佇む浮世絵の美術館。根津美術館もだけど、平日だというのにけっこうなにぎわい。中高年グループ、外国人観光客、美術学生風の若者など、引きもきらない。 ギャラリーに美術館、散策に合間にめぐってみるのも楽しいものです。根津美術館 東京都港区南青山6-5-1 http://www.nezu-muse.or.jp/ *開館情報は上記のHPで必ず確認してください。 太田記念美術館 東京都渋谷区神宮前1-10-10 http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/ あお山ヒュッテ 東京都港区南青山3-18-5 さくらapartment4F http://aoyamahutte.com/(つづく) 次回は2019年5月15日更新予定です。
日本大学芸術学部在学中に、イラストレーターの仕事を始める。独特のタッチと視点のイラスト&エッセイが、読者の熱い支持を集めている。イラストのかわいらしさはもちろん、文章のうまさにも定評がある。著書に『ベトナムで見つけた』『東京ホリデイ』など、多数。