東京の花や緑のスポットと、その周辺の街をめぐるお散歩レポート。花を追いかけての連載なので、どうしても掲載の時期と花の見頃がずれてしまうのですが……街自体も魅力的な場所を歩くので、ぜひお楽しみください! さて、第11回は、初冬を彩るツワブキや大銀杏。訪れたのはーー
深川の下町の風情と、おしゃれなショップが混在する清澄白河駅周辺。江戸時代から川沿いの物流の地として栄え、その後は倉庫や町工場が多く集まりました。現在は古い倉庫などをリノベーションしたカフェやショップが並ぶ、人気の街になっています。まずは、お花どころから散策スタート。 三菱財閥創業者・岩崎彌太郎が、明治11年からこの地に造った庭園が元になった「清澄庭園」。社員の慰安や貴賓客のために造られた場所で、「深川親睦園」と名付けられました。関東大震災のあと、被害の少なかった東側の庭園が東京市に寄贈され、昭和7年に開園。庭園の大部分を占める見事な池「大泉水(だいせんすい)」は、その昔は隅田川から水を引いたのだとか。 紅葉を期待して訪れたのですが、木は松などの常緑樹が多く、かわりに園内のあちこちでかわいいツワブキが揺れていました。こんなにたくさんのツワブキを一度に見たのははじめて。紅葉は、深川親睦園の西側だった場所を開放した、すぐお隣の「清澄公園」が見事でした。紅葉の木立と見事な日本庭園、どちらも楽しめて大満足。Coffee Stand OZ https://www.instagram.com/coffee_stand_oz/fukadaso CAFE https://fukadaso.com/cafe/1995年に東京都現代美術館が開館して以来、おしゃれな街として進化してきた清澄白河。2015年にはアメリカ・オークランドの「ブルーボトルコーヒー」の一号店が開業し、〝サードウェーブコーヒーの聖地〟となり、「なんだかスノッブそうだなぁ」と勝手に苦手意識があったのだけど、今回歩いてガラッと印象が変わりました。 個人経営やメーカーのこだわりのお店が並ぶ通りは、古くて味のある建物ばかりで、そぞろ歩きがとても楽しい。古い商店とも自然に共存していて、風通しのよい気持ちいい空気が流れてる。 想像以上に、街はコーヒーショップだらけ。小さなスタンドから、倉庫をリノベーションした大きなお店までどこも個性的で、とても一度じゃ楽しみ尽くせない。次はどこへ行こうかな、と再訪が楽しみになりました。CLANN BY THE RIVER https://clannbytheriver.jptallskogen https://totti.tokyo/tallskogen/yahae kiyosumi https://www.yahae-kiyosumi.com/(つづく) 次回は2025年3月1日更新予定です。
日本大学芸術学部在学中に、イラストレーターの仕事を始める。独特のタッチと視点のイラスト&エッセイが、読者の熱い支持を集めている。イラストのかわいらしさはもちろん、文章のうまさにも定評がある。著書に『ひっこしました』『ニュー東京ホリデイ』『世界をたべよう!旅ごはん』『たのしみノートのつくりかた』など、多数。